ゆゆ式のBDboxが出るんだ! フッフー!!

昨今、芳文社まんがタイムきらら系列、ドキドキビジュアルコミックスを原作とするアニメに対して、アニメについて多少はあれど理解のある方々が抱くイメージとしては、誤解を恐れずに言うとしたら、

四コマ漫画原作

・女の子しか出てこない

・日常もので話の内容が薄い。もしくはストーリーがほとんど無い。

というものがほとんどであると思われる。

 

まんがタイムきらら原作アニメ作品は、今では一大ジャンルとして多くの人に認識をされるものではあるが、流行り廃りの激しい、槿花一日のアニメの世界において尚、歴史としては比較的新しいものである(ように24歳の私は思う)以下にまんがタイムきらら原作アニメ作品の一覧を示す。

 

・「ひだまりスケッチ(第1期)」(キャラット):2007年1月-3月
・「ドージンワーク」(キャラット):2007年7月-9月
 
・「ひだまりスケッチ×365(第2期)」(キャラット):2008年7月-9月
 
・「けいおん!(第1期)」(きらら):2009年4月-6月
・「かなめも」(MAX):2009年7月-9月
 
・「ひだまりスケッチ×☆☆☆(第3期)」(キャラット):2010年1月-3月
・「けいおん!!(第2期)」(きらら):2010年4月-9月
 
・「夢喰いメリー」(フォワード):2011年1月-4月
・「Aチャンネル」(キャラット):2011年4月-6月
 
・「キルミーベイベー」(キャラット):2012年1月-3月
・「あっちこっち」(きらら):2012年4月-6月
・「ごきチャ」(キャラット):2012年9月~ニコニコチャンネルで配信
・「ひだまりスケッチ×ハニカム(第4期)」(キャラット):2012年10月-12月
 
・「ゆゆ式」(きらら):2013年4月-6月
・「きんいろモザイク(第1期)」(MAX):2013年7月-9月
 
・「桜Trick」(ミラク):2014年1月-3月
・「ご注文はうさぎですか?(第1期)」(MAX):2014年4月-6月
・「ハナヤマタ」(フォワード):2014年7月-9月
 
・「幸腹グラフィティ」(ミラク):2015年1月-3月
・「ハロー!!きんいろモザイク(第2期)」(MAX):2015年4月-6月
・「城下町のダンデライオン」(ミラク):2015年7月-9月?
・「がっこうぐらし!」(フォワード):2015年7月-9月?
・「わかば*ガール」(※):2015年7月-9月?
・「ウルトラスーパーアニメタイム」の3本立ての内の一つ10分枠で放送。
 
調べてみて初めて知ったのだが、以外にも「ひだまりスケッチ」がその最初の一歩であった。
 
先の一覧の中に、4コマ漫画ではない作品は「夢喰いメリー」「ハナヤマタ」「がっこうぐらし!」の三作品しかない。「4コマ漫画原作」というイメージはあながち間違いではない。
 
では、その他の「女の子しか出てこない」や、「ストーリーがほとんどない」というイメージについてはどうであろうか。
 
作品一覧の中で、男性の主要な登場人物が出てくる作品は以下。
・「ドージンワーク」(キャラット):2007年7月-9月
・「夢喰いメリー」(フォワード):2011年1月-4月
△「Aチャンネル」(キャラット):2011年4月-6月
・「あっちこっち」(きらら):2012年4月-6月
△「ハナヤマタ」(フォワード):2014年7月-9月
・「城下町のダンデライオン」(ミラク):2015年7月-9月?
 
Aチャンネルの佐藤先生や、ハナヤマタの大船さん(スキンヘッド)はメイン級かと言われると疑問なので三角に。一応、「ひだまりスケッチ」、「ごちうさ」や「キルミーベイベー」などには男性キャラが登場するが、話の本筋に積極的に関わってくるものではないので除外した
こうして見ると少ない。というか、シリーズ化している作品群が軒並み女の子しか出てこないのでごっそり抜けている。
以上のことから「女の子しか出てこない」というイメージに関しても、概ね正しいと結論する。
 
問題は、「ストーリーがほとんどない」というイメージである。こうした意見は、概して作品に対して否定的な意味合いを持って語られ、その作品のファンにとっては腹立たしさを覚える物言いであると思われる。実際、私も腹立たしく思う時がある。
確かに、「あずまんが大王」から爆発的に増殖した、いわゆる「日常系四コマ漫画」では、余程その作品のファンでなければ、『第何話は誰々が何々をする話』だとか、そんなこと覚えていない。読者諸兄は、アニメ版のあずまんが大王第七話がどんな内容の話であったか覚えておられるだろうか?(一年次の文化祭の話である)当然ながらほとんどの人は覚えていない。もっと言ってしまえば、これらの日常系四コマ作品において、主人公が誰なのか、はっきりと断ずることの出来る作品がどれだけあるか、という事にも思いが至る。
しかし、「ひだまりスケッチ」のゆのっちがいかに人間として成長したか、あずにゃんがどんな思いで先輩たちを送り出したのか、そこに至るまでは様々な小事が積み重なり、それらは起伏こそ少なかれど、確かに1つの物語として作品の中を流れている。そのことを私達は知っているはずである。確かに彼女たちは指輪を捨てに行ったり、ドラゴンを倒したりはしないが、彼女たちの「日常」は同時に冒険譚であり、成長物語である。「けいおん」をシリーズ通して見れば、「ひだまりスケッチ」を卒業編まで見れば、誰だってそれくらい分かるはずだ。
 
では、なぜ「話が薄い」などと言われるのか。一つ確かなことが言えるとすれば、それは「他作品と比較をする」ところにある。
先ほど例としてあげたように、指輪物語と比較することは、気仙沼産の牡蠣と宮崎産のマンゴーを比較するようなもので全く意味をなさない。そのことは皆が理解できる。
だが、「けいおん!」と「響け!ユーフォニアム」となるとどうだろうか。途端に比較して言及する人が多くなるのではないだろうか。当然、同じ京都アニメーションの作品で、同じ高校の音楽系の部活が舞台で、メインキャラクターがほとんど女の子で、百合のかほりがして、この二つの作品の間には共通項が多く見られ、比較は至って自然のことである。何が問題かというと、この両者を比較して、「『けいおん!』には(響け!ユーフォニアムと比較して)物語性が無い』と言うところが問題なのである。確かに、ユーフォのキャラクターの苛烈な人物描写、ゆるさのかけらもない人間関係に起因する濃厚過ぎる三十分の視聴体験は目を見張るものがある。私も興奮して友人たちに激しく視聴を勧めた。しかし、その内容を褒めるにあたり、他作品を引き合いに出して比較することは間違っている。「◯◯よりも☓☓」という言葉は多く見られるものであるが、それは褒めるべき対象に具体的な内容を想起させるにおいて有用な物言いであると同時に、比較された対象を概ね、貶める物言いであるということを、私達は心しておかなければならない。
そうすることによって、ジャンル間でのつまらない諍いは減り、重たい物語が好きな人も、ゆるめでストレスフリーな日常物が好きな人もお互いに歩み寄り、ともすれば相手が良いと言うその作品をちょっくら見てみようじゃないか、という気にもなろうというものである。視野が広がり、作品ファンの裾野が広がり、円盤の売上が伸び、続編が作られ……以下略。理想的でハッピーなアニメ制作サイクルを形成して、末永くアニメファンでいられるように私達は「単なる消費者」から一歩踏み出して云々……
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
でも本当に中身の無い日常系四コマ原作アニメはあるんだ!!
 
だって、キルミーはやすなとソーニャちゃんがイチャイチャ夫婦漫才をするだけだし、ごちうさもなんか女の子がバイトしてイチャイチャして、リゼちゃんがイマイチなツッコミを入れるだけだもんな!(僕は両作品とも大好きだし、キルミーに関しては原作の一巻を初版で持ってるんだぞ!キルミーベイベーわしが育てた
 
 
で、その中身の無い日常系四コマ原作アニメの中でも、一番のおすすめがこれ!

 

ゆゆ式 Blu-ray BOX

ゆゆ式 Blu-ray BOX

 

 

そう、ゆゆ式ですよっ!ゆゆ式っ!

 

この作品は学園ものであっても、体育祭だとか文化祭だとか、そういったイベント事にフィーチャーするわけでもなく、ただひたすらに「唯ちゃんち」「教室」「部室」での女子高生の会話を楽しむだけのものです。

「それの何が楽しいの?」、それがとっても楽しいんですよ奥さん!

この作品の最大の特徴は、「登場人物が登場人物のことを楽しませようとして会話をする」ところにあるんですよ。

さっき比較をするなって言っておいて何なんですけど、他の学園モノ日常系作品では、概ね笑いというものが「ちょっと変わった女の子の天然ちっくな行動」に伴う笑いなんですね。シノはアリスやカレンを笑わせるためにアリスに石をプレゼントするわけじゃないし、シャロはみんなを笑わせるためにカフェインで酔っ払うわけではないんです。

ですが、ゆゆ式では違います。ゆずこは突飛な言動とセクハラ行為で唯ちゃんによく殴られますが、それらは全て、唯と縁を楽しませるための計算された言動なわけです。唯ちゃんも、頭の回転が速いゆずこのギャグに対応するべく、頭をフル回転させて、あーでもない、こーでもないと悩みながらツッコミを入れていきます。求められればテンドンもします。縁は、そんな二人の会話の応酬に笑い袋の如く爆笑しながらも、自らも笑いを提供しようと、考えて物を言い、そして考えた結果として少しずれたことを言って、それがまた三人の中で笑いを生みます。

近年、こうしたキャラクターが生っぽさを持った作品は珍しく思います。ナントカ先生が、「物語ではなく構成要素が消費の対象となる作品の受け容れられ方」を「データベース消費」と呼称し、萌え要素というデータベースの消費を目的とした物語の中で、萌の類型と化すとされるキャラクター群において、彼女たちはその類型という枠に囚われない、真の意味で自律している人物であるように思われます。

 

 

騙されたと思って見てみてください。

人が人を楽しませようとする。それに対して笑ってやる。そんな当たり前のコミュニケーションの原風景が「ゆゆ式」です。

 

 

そして、当然ろくに更新もしていなかったので、今回もまだアフィリエイト無しです!4400文字!